予定日はまだ先・・・今赤ちゃんが生まれたらどうなる?【前篇】

2016/12/17 08:00
在胎24週で生まれた赤ちゃんの体重は、約650ℊ前後。体重が500ℊを超えてくると、生存率も上昇するといわれています。しかし、いろいろな臓器の発達が未熟で、さまざまな手助けが必要になります。この時期の赤ちゃんには、まずママのおなかの中の環境に近い状態をつくり、未熟な部分を補うための治療やケアが継続的に行われていきます。

 

クックパッドベビーをご覧のみなさん、こんにちは!助産師のREIKOです。

 

私はNICU(新生児集中治療室)のある病院で働いていたので、産婦人科病棟には切迫早産で入院されている方がたくさんいらっしゃいました。中には、長期の入院を余儀なくされる方もいらっしゃって、医師も助産師も、「妊娠〇週までがんばろう!」とよく説明していました。

 

妊娠6カ月で入院したママに、いきなり「37週まで……」なんて言いません。まずは「24週(7カ月の初め)」まで。それがクリアできたら「28週(8カ月の初め」までと、目標を設定していきます。この目標はその後、「32週(9カ月の初め)」「35週(9カ月の終わり)」と続きます。これにはきちんと理由があるんです。この理由について、2回に渡り、解説したいと思います。

 

赤ちゃんの体重もだけど週数も大事!

22週未満で生まれた赤ちゃんは、厳重なNICU管理があったとしても、ママのおなかの外では生きることができません。言い方を変えると、22週以降に生まれた赤ちゃんは、厳重なNICU管理があれば、ママのおなかの外で生きることができる!?……たしかにそうかもしれませんが、やはり在胎週数(赤ちゃんがママのおなかの中にいる週数)が浅ければ浅いほど状況は厳しいというのが現状です。

 

順調に経過すれば、ほとんどの赤ちゃんが10カ月で生まれてくるので、みなさんは、在胎何週で生まれたかということより、何gで生まれたかということの方が気になるのではないでしょうか?体重も大切なのですが、NICUで小さな赤ちゃんを治療・ケアをする上では、「在胎何週何日で生まれたか?」ということも重要なんです。

 

まずは「24週」。この時期に生まれた赤ちゃんって?

在胎24週で生まれた赤ちゃんの体重は、約650g前後。生まれたときの体重が1,000g未満の「超低出生体重児」ですが、体重が500gを超えてくると、生存率も上昇するといわれています。しかし、いろいろな臓器の発達が未熟で、ママのおなかの外で生きていくためにはさまざまな手助けが必要になります。

 

呼吸の補助

ヒトが呼吸をするうえで「肺サーファクタント」という肺の中にある物質が必要になります。この肺サーファクタントは在胎20週ごろから作られ始めます。この時期では、肺サーファクタントの量が十分ではないので、「呼吸窮迫症候群」となり、お薬で肺サーファクタントを補ったり、気管に管を入れて人工呼吸器で呼吸を助けたりということが必要になります。

 

出血予防

この時期の赤ちゃんの血管は細くもろいです。加えて血圧コントロールもうまくできないので、脳内出血を起こしやすい状態です。また、肺からも出血する可能性もあります。

 

感染予防

この時期の赤ちゃんの皮膚はとても弱く、傷付きやすくなっています。免疫力もないので、感染もしやすくなっています。そして、感染すると重症化しやすいのも特徴です。

 

栄養

この時期の赤ちゃんの腸の機能も未熟です。そのため、新生児壊死性腸炎という病気のリスクが高くなります。必要な栄養や水分は点滴をしたり、口から胃までチューブを入れて、そこから母乳やミルクを注入していきます。ちなみに、私が働いていた病院では、NICUに入院している赤ちゃんがお口から飲めるようなる目安は、保育器から出てからでした。

 

このほかにも未熟さゆえに、生まれたら閉じるべき血管の穴が閉じていなかったり、血糖値が乱高下したり、黄疸が強く出たりとさまざまな影響が出てきます。


 

▶次ページ:「24週」の赤ちゃんにはどんな治療・ケアをする?


 

「24週」の赤ちゃんにはどんな治療・ケアをする?

「24週」の赤ちゃんに必要なのは、まずママのおなかの中の環境に近い状態をつくること。ママの体温近い温度に設定し、加湿した保育器に収容して体温管理をしていきます。それに加えて、保育器内を薄暗くし、赤ちゃんをママのおなかの中にいたときのように姿勢を整えます。

 

小さな赤ちゃんにとって、光や音は刺激となって悪影響を及ぼすことがあります。そのため、モニターの音、スタッフの話し声など細心の注意を払っているんですよ。赤ちゃんに刺激を与えないように、行うケアも必要最小限です。また、赤ちゃん自身が泣くことも呼吸状態が落ち着かなくなったり、出血の要因となったりするので、安静第一。ときにはお薬を使うこともあります。

 

そして、呼吸状態などを常時観察するために、心電図モニターや血液中の酸素濃度をモニタリングする器械などを装着しますが、皮膚が弱いので、細心の注意が必要です。点滴も同様です。血管が細くてなかなか点滴できない生まれたばかりの赤ちゃんの場合、臍の緒の血管に管を入れて点滴をすることもあります。


 

こうして生まれた赤ちゃんにも、まずは24時間、次は3日、そして1週間といった目標があり、継続的な治療やケアが行われていきます。私が働いていた病院のNICUでは、在胎24週以降の赤ちゃんの救命率がそれ以前の週数に比べて、ぐっと上がるということもあり、最初の目標が「24週」だったのかもしれませんが、とにかく1日1日の積み重ねが大切になってくると思います。(TEXT:助産師 REIKO)

 


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